BANANA FISHのあらすじと魅力、読んだ感想

BANANA FISH すごいマンガ

今回は「『BANANA FISH』のみどころ・魅力と読んだ感想」と題しまして、ひと昔前に少女コミックとしてかなり多くのファンを募った本作の魅力と感想、また解説やみどころまでを一挙ご紹介していきたいと思います。

本作のストーリーは1980年代を舞台にしており、その時点(ストーリー時制)から前後の回想シーン・近未来への追想などを踏まえ、主に枠小説型の体裁や、非常に深い人間ドラマをベースにした超大作の仕上がりになっています。

『BANANA FISH』は女性漫画家で、『カリフォルニア物語』(小学館、1979年)や『吉祥天女』(小学館、1983年)、また『イヴの眠り』(小学館、2004年)などの数々の名作を手掛けてこられた吉田秋生さんの代表作として知られます。

現在ではラジオドラマや舞台などでも本作がプロジェクトされており、ユーチューブなどでもすぐに観る事の出来る人気作の1つになっています。

BANANA FISHのあらすじ

ベトナム戦争(1973年)が冒頭の舞台として敷かれており、そこで同じアメリカ軍として派遣されていたグリフィン・カーレンリース(主人公のアッシュ・リンクスの実兄)とマックス・ロボが一緒に兵役に就いています。

当時、LSD(幻覚剤)の実験で兵隊をモルモットにするのが流行っていました。

その横暴ぶりが盛んに広まり、グリフィンもその被験体にされます。グリフィンは薬によって発狂し、銃を自分の仲間に向けて乱射してしまう。

そうこの薬こそ、「BANANA FISH」でした。

場面が変わり、舞台は1980年代のマンハッタン。

ダウンタウンでストリートキッズのボスとして君臨するアッシュ・リンクスは、「ベトナム戦争時の事変」を巡って薬物の謎・兄の発狂の原因を追究します。

そこで立ちはだかるマフィアの大ボス・ゴルツィネはさまざまな策略によってアッシュを貶め、忌々しい記憶を払拭させません。

アッシュはついにゴルツィネに闘いを挑みますが、ゴルツィネが雇ったプロの殺し屋、セルゲイ・ブランカの前になす術(すべ)がなくなります。

さらにベルギーで傭兵として活躍したフォックス(殺し屋)もゴルツィネは雇い入れ、アッシュを再び自分の配下に置こうと画策します。

しかしアッシュはゴルツィネに最終決戦を挑み、刺し違えてでもゴルツィネの組織を解体する事をもくろみます。

BANANA FISHのココがすごい!

本作の凄いところはまず「それぞれのキャラクターの過去歴が詳細に描かれる事」と、「実際にこんな事が起きても不思議ではない」とするリアリティに極限まで追及した描写になります。

実際にアメリカのマフィア組織に挑む1人の青年の姿を描き、その青年の過去には忌まわしい払拭できない悲しみがあります。

実の兄をモルモット代わりにして殺害された恨みを胸に、さらにゴルツィネというアメリカでも3本の指に入るマフィアのドンからの束縛から自身を解放させるため、ありとあらゆる手段を使って希望を見出そうとします。

この辺りにまつわるエピソードのあり方が実に鮮明かつ斬新で、ちょっと他の漫画・アニメでは見られない「本作のリアリティならではの凄み」のようなものが見え隠れするでしょう。

飛躍し過ぎないリアリティの凄さ

本作ではキーアイテムとして「BANANA FISH」という幻覚剤が登場し、その薬を巡ってさまざまなエピソードが展開されていきます。

その薬こそアッシュの兄・グリフィンを殺害した直接的な原因となっており、さらにこの薬を戦略兵器として使うことで、マフィアをはじめ国会の高官達も〝国の利益〟を独占しようと企んでいきます。

このような二重・三重にもプロットが折り重なったストーリー展開の中、実際に洋画で観るようなリアリティあふれるヒューマンドラマも展開されていきます。

この二重のコラボを駆使したような壮大な演出・脚色を講じながら、またアッシュの親友として登場する英二(日本の大学生で棒高跳び選手)とのヒューマンドラマも展開されます。

友情と現実とのハードロマンが幾重にも重なった面白さに、おそらくたいていの読者は感情移入させられる形で夢中になるでしょう。

脇役のストーリー上の力強さの魅力

また本作の大きな魅力の1つに、「主人公だけがキラキラ輝く展開にせず脇役の動きが目立って光る」というものがあります。

魅力のある脇役を登場させる事でさらに主人公の魅力も(相乗効果で)増すことになり、ここでもその二重の演出によってストーリーが魅力あるものとして最後まで展開されていきます。

マックス・ロボ、伊部さん(英二が助手を務めているカメラマン)、月龍(ユエルンまたはユーシス、中国出身でアメリカのチャイナタウンを取り仕切っている李一族の末弟)などをはじめ、各キャラクターの経歴をもとに壮大なスペクタクルドラマが用意されています。

とくに月龍とアッシュとの関係、また月龍と英二との関係が興味深く、この月龍にも悲哀じみた過去があるからこそのリアルなヒューマンドラマに魅力が灯ります。

アメリカンなムードの中の洋画感覚

本作をじっくり読めばわかると思いますが、そのストーリーは始終「アメリカンなムード」に包まれています。

それはアメリカを舞台にしているから当然の事ですが、それでも吉田秋生氏の描く作品はどれも〝日本の漫画やアニメと一線隠す程の独特のオーラ(雰囲気)〟が作中にずっしり表れており、それがまた読者の感情を上手く引き込むための大きな武器・テイストにもなっています。

とくにこのニュアンスは、脇役を含めた主人公のアッシュ・リンクスと、政府高官との暗躍じみた小競り合い・真向からの対決のシーンによく出ており、この点から見ても洋画・洋物の小説を読まされているようなリアリティあふれる造りになっています。

『BANANA FISH』の魅力はこの洋画感覚が漂う中で織り成されていく壮絶なヒューマンドラマに見られ、けっしてアニメをアニメだけで終わらせない現実に即した描き方がなされる点にあります。

おそらく本作を読まれた方は「ぜひこの漫画を実写版映画でも観てみたい」などと強靭な衝動に浸らされることもあるように思われます。

つまりそれだけ漫画の世界観を越えた〝実写に近いリアリティ〟を、感動を呼び込む形でその興味に丸ごと置き換えられる「不思議な魅力」に痛感させられることでしょう。

この感動を、作中の世界観の中でぜひ体感し味わってみて下さい!

まとめ

今回は『BANANA FISH』の魅力をかいつまんで簡潔にご紹介しました。

『BANANA FISH』の魅力はここでご紹介したような魅力以上に大きく、「まだまだこんなものじゃない」と言わせる程の「壮大スケールのヒューマンドラマ」を痛快な形で描いています。

ストーリー運びも実にわかりやすく、おそらくどの巻から読んでみてもその妙味と痛快性に気付ける不思議な魅力と感動が与えられることでしょう。

この感動は、実際に読んでみないとわかりません。必ずあなたなりの感動の世界がそこで即座に打ち立てられ、その世界観をもって「次をもっと読みたい」言わされるほどの純粋な感動にうなされるでしょう。

読む人によっては、トラウマになってしまうシーンがあるかもしれません。

しかしそれだけ奥深い感動の連が用意された一作(傑作)ですので、ぜひ人生に1度は読んでおきたい〝お宝の1冊〟として携えてみて下さい。

作者名 吉田秋生
出版社 小学館
掲載誌・レーベル ベツコミ
ジャンル 少女マンガ

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